• コラム

公開日:2024.06.28

更新日:2021.06.01

職業安定法に基づく指針の改正~2021年4月施行~

2021年4月1日から職業安定法に基づく指針〔第5の9関係〕が一部改正され、有料職業紹介事業者が求職者に対して、いわゆる「就職お祝い金」などの金銭等を提供して求職の申し込みの勧奨を行うことが禁止されました。
今回は、この改正について確認していきましょう。

  • 職業安定法に基づく指針 第5 九
    (三) 求職の申込みの勧奨については、求職者が希望する地域においてその能力に適合する職業に就くことができるよう、職業紹介事業の質を向上させ、これを訴求することによって行うべきものであり、職業紹介事業者が求職者に金銭等を提供することによって行うことは好ましくなく、お祝い金その他これに類する名目で社会通念上相当と認められる程度を超えて金銭等を提供することによって行ってはならないこと。

今回の改正では、求職の申し込みの勧奨は、金銭の提供ではなく、職業紹介事業の質を向上させ、それをアピールすることで行うことが求められています。
職業紹介事業者が、自ら紹介した就職者に対し転職したらお祝い金を提供するなどと持ちかけて転職を勧奨し、繰り返し手数料収入を得ようとする事例が散見されていました。このような行為は、労働市場における需給調整機能を歪め、労働者の雇用の安定を阻害する行為であるため、今回の改正に至っています。

なお、交通費の実費支給を行うことや、軽微な物品提供等、社会通念上相当と認められる程度の支給まで問題となるものではないでしょう。

今回の改正に対する対応を含め、有料職業紹介事業の健全な発展を目指していきたいですね。

労務DDのご相談ならHRプラス社会保険労務士法人までお問い合わせください。

コラム監修者

特定社会保険労務士

佐藤 広一(さとう ひろかず)

<資格>

全国社会保険労務士会連合会 登録番号 13000143号

東京都社会保険労務士会 会員番号 1314001号

<実績>

10年にわたり、200件以上のIPOサポート
社外役員・ボードメンバーとしての上場経験
アイティメディア株式会社(東証プライム:2148)
取締役(監査等委員)
株式会社ダブルエー(東証グロース:7683)
取締役(監査等委員)
株式会社Voicy監査役
経営法曹会議賛助会員

<著書・メディア監修>

M&Aと統合プロセス 人事労務ガイドブック』(労働新聞社)
図解でハッキリわかる 労働時間、休日・休暇の実務』(日本実業出版社)
管理職になるとき これだけはしっておきたい労務管理』(アニモ出版)他40冊以上

TBSドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』監修
日本テレビドラマ『ダンダリン』監修
フジTV番組『ノンストップ』出演

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