• コラム

公開日:2024.06.28

更新日:2020.02.27

育児休業給付金について④

今回は、育児休業給付金の支給額と支給対象期間延長の申請に必要な書類について解説します。

育児休業給付金の支給額は?

育児休業給付金は支給単位期間ごとに下記の計算式で計算し、支給されます。

○育児休業中に就業していない場合

支給日数が育児休業を開始してから通算して180日に達するまでの間
 ⇒支給額=休業開始時賃金日額×支給日数※×67%

181日以降
 ⇒支給額=休業開始時賃金日額×支給日数※×50%

※支給日数について
 休業終了日を含まない支給単位期間→30日
 休業終了日を含む支給単位期間→暦の日数(最後の支給単位期間の初日から休業終了日までの日数)

○育児休業中に就業している(就業している日が10日以下、かつ就業している時間が80時間以下の)場合

支払われた賃金が、休業開始時賃金月額の30%以下
 ⇒支給額=休業開始時賃金日額×支給日数×67%(50%)

支払われた賃金が休業開始時賃金月額の 30%超~80%未満の場合
 ⇒支給額=休業開始時賃金日額×支給日数の 80%相当額と賃金の差額

支払われた賃金が休業開始時賃金月額の80%以上の場合
 ⇒支給されません。

○育児休業給付金の限度額

育児休業給付金の支給には限度額があります。上記の計算式で算出された支給額が支給限度額を上回ったとしても、支給されるのは限度額の金額までです。
支給限度額は毎年8月1日に変更される場合があります。令和元年8月1日時点では支給額は以下のようになっています。

 支給上限額 304,314(給付率 67%)円
 支給上限額 227,100(給付率 50%)円

延長申請に必要な書類は?

前回、育児休業給付金は一定の要件を満たしていれば当該育児休業に係る子が最大で2歳に達する日の前日まで支給対象期間を延長できることを解説いたしました。では、延長の申請を行う際にどのような書類が必要になるのでしょうか。

支給対象期間の延長事由が生じた場合は、
支給申請書・添付書類(賃金台帳や出勤簿等)と併せて、以下の書類が必要となります。

☆保育所による保育が実施されない場合
 →市町村により発行された『入所不承諾通知書』等※

※ 保育の申込みを行い、かつ1歳到達日の翌日(1歳の誕生日)又は1歳6か月到達日の翌日において保育が行われていないことが確認できる、市町村が発行した証明書等が必要です。市町村によっては『入所保留通知』『入園待機通知書』という名称の書類が届きます。
この入所不承諾通知書は世帯主(夫)の名義で届くことが少なからずあります。その場合、妻が申請をするためには妻と子の続柄を確認する書類(住民票や母子健康手帳、保育所への入所申込書と入所不承諾通知のコピーなど)の添付が必要になります。

☆そのほかの特別な事情の場合
 たとえば…
 〇養育を予定していた配偶者が死亡した場合
 →住民票の写しと母子健康手帳

 〇養育を予定していた配偶者の疾病、負傷等の場合
 →医師の診断書
 など

なお、育児休業の申出に係る子の1歳に達する日後の延長、1歳6か月に達する日後の延長について、それぞれ延長申請をする必要があります。

最後に

育児休業給付金支給の延長については、保育所等に入れなかったことを事由として延長の申請を希望する方が多くいらっしゃいます。その場合は『入所不承諾通知書』を提出しなければなりませんので、事前に保育所への入所の申し込みをすることが必須です。
市町村によって入所の申し込み期間は違いますので、必ず自分が申し込む市町村の申し込み期間は確認しておきましょう。
育児休業給付金についての解説は終わりとなります。次回からは育児・産休に関する制度について解説していきます。

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