忘年会でセクハラされたと女性社員が労働局に訴えた

恒例の年末の忘年会なのですが、管理職クラスが毎回暴走し、女性社員からひんしゅくを買っています。ただ酔っ払うだけならまだしも、見た目が派手な服装の女性社員に執拗に群がったり、一部の者は抱きついたりしています。社長はいつも苦笑しているばかりでお咎めはありません。とうとう新入社員の女性が労働局に駆け込んであっせん申請したのを機に、社内でも若手社員を中心に委員会が立ち上げられ、問題解決に向けて取り組んでいる最中です。しかし、当の女性は精神障害を発症しているらしく、訴訟の可能性も出て来ています。企業も責任を問われるでしょうか? 就業規則にはセクシュアルハラスメントの防止規定を整備しています。

忘年会で上司らが女性社員に行なったセクハラ行為が認定され、会社などの損害賠償責任が認められた判例があります。忘年会が営業日に、しかも勤務時間中に行われたこと、仕事の慰労を兼ねたものであることなどから、業務に関連する行為と判断されたものです。このため、使用者責任(民法715条)が認められました。損害賠償を請求され、企業の信用が地に落ちる前に実効性のある対策が望まれます。