社員に健康診断を強制できるか

定期健康診断の受診率が最近低下しています。特に中高年の社員で健康診断を受けたがらない者が増えており、糖尿病や高血圧などの持病を持つ者が少なくないことから、どういった対応を取れば良いのか弱っています。取引先の企業に相談すると、「当社では、拒否した者には早い段階で懲戒処分を行う旨の警告を出しています」と言われました。そもそも、健康診断は強制できるものなのでしょうか?また、先日は女性社員の中で「胸部エックス線の検査があるなら受診しない」と人事部に申し出るものがおりました。なんでも、放射線は有害だからというのが理由だそうです。これも同様に強制することが可能なのでしょうか?

労働安全衛生法では、企業だけではなく、社員にも「事業者が行なう健康診断を受けなければならない」と定めています。定期健康診断の受診を拒否した者に対し、減給の懲戒処分を認めた判例もあり、再三の受診勧奨にも応じない問題社員については、何らかの懲戒処分を科すことは問題ないと思われます。