「休日の振替(振替休日)」とは、あらかじめ休日と定められていた日(例えば日曜日)を労働日とし、その代わりに他の労働日(例えば火曜日)を休日にすることを言います。つまり、字義通り事前に休日と他の労働日を「振り替える」わけです。このため、あらかじめ休日と定められた日(日曜日)が労働日となり、その代わりに振り替えられた日(火曜日)が休日となります。ですので、従来の休日(日曜日)における勤務は休日労働とはならず、通常休日労働に対する割増賃金(3割5分)は発生しません(昭23・4・19基収第1397号など)。
したがって、就業規則に「振替休日」の規定を設けていても、事前に社員と話し合って「休日労働の前日までに振替日を確定」していなければ「代休」と判断され割増賃金の支払い対象となります。
「振替休日」と「代休」の違いとその注意点
どんな場合に行われるか
振替休日
36協定が締結されていない場合などに、休日労働をさせる必要が生じたとき
代休
休日労働や長時間労働をさせた場合に、その代償として他の労働日を休日とするとき
行われる場合の要件
振替休日
① 就業規則に振替休日の規定があること
② 振替休日の特定
③ 振替休日は、できるだけ近接した日が望ましい
④ 振替は前日までに通知
代休
代休自体は、任意に与えることができますが、法定休日労働の場合には、36協定が必要となります
振替後の日又は代休の指定
振替休日
あらかじめ使用者が指定します
代休
使用者が指定することもあるし、労働者の申請によって与えることもあります
賃 金
振替休日
振替休日が同一週の場合、休日出勤日については通常の賃金を支払えばよく、振替休日に賃金を支払う必要はありません*
* 振替休日により働いた日を含む週の労働時間が週法定労働時間を超えた場合には、この部分については時間外労働となるので、割増賃金の支払が必要となります
代休
使用者が指定することもあるし、労働者の申請によって与えることもあります